toriのシンプルライフ

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5分で読める!12月2日放送「家のモノぜんぶ出す!お家を丸ごとダイエット」◆後編

テレビ東京で12月2日に放送された、家の中身を全部出して片付ける番組、「家のモノぜんぶ出す!お家を丸ごとダイエット」。
前回はその前半をまとめました。

今回はその後半部分をまとめていきたいと思います。

 

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前編を読んでない方はこちらから

前編は3DKに8人に住まわれているご家族の回でした。
こちらから読めます。 

krktori.hatenablog.com

 

現状と問題点

今回は、お孫さんの依頼で、一人暮らしの95歳のおばあちゃんの家を片付けます。菊さんという、記憶力が良く、とてもしっかりされた方です。

2階建ての持ち屋で、2階部分は人に貸し、1階部分の3LDKに居住されています。

大正生まれで戦後の大変な時代を経験されており、モノを捨てられないとのこと。

支えがないと歩きにくいので、家具や置いているものを手すり代わりに移動します。

菊さんの定位置は奥の部屋のイスですが、手の届く範囲に日用品やメモ帳などが集まっていてごちゃごちゃしています。

S字フックが大好きだそうで、手すりに20個、イスの背もたれに8個とびっしり掛けられています。

寒さ対策にマットや新聞紙を床や壁際に敷いているため、転倒の危険があります。

キッチンも食材や小物で足の踏み場がありません。家具のサイズも合っておらず、例えば調理台は小柄な菊さんには高すぎるので、床で包丁を使っている状態。

洋服も畳むことがおっくうということで、ハンガーにかけっぱなし。
さらに、物置状態の「開かずの間」があり、居住スペースにも無駄がある状態です。
実は日本において、一人暮らしのお年寄りは5年毎に100万人増えており、菊さんのお孫さんのように、ご家族の片付けに頭を悩ませる人が増えているそうです。

 

いざ片付け開始!

今回も、まず部屋のものをスタジオに全て搬入します。
運び込まれたダンボールは298箱。これを間取り通りに並べていきます。
重さを量ると、5.045トン!
なんと、前回の8人家族の持ち物より多いです。
これは横綱白鵬32人分だそう。ってピンと来ない(笑)

傘や杖、寝具や大量の洋服、靴下。バッグだけで65個。
紙おむつ52袋、収納ケース47個。
キッチン用品もたくさんあり、割り箸50膳以上、ラップやアルミホイル23個、大量のワサビやソースの小袋。
調理器具も多く、包丁だけでも16本ありました。用途別に細かく道具を使い分けていらっしゃる様子。
一見ごみに見える豆腐などの空容器もたくさん。

聞くと、空き容器にラップや袋を入れて食器代わりにすると、洗い物がいらないそう。また、プリンの容器は、おにぎりを作る時の軽量カップにするとのこと。
それでもさくさく片付けて、アドバイザー安藤英子さんの指導の下、2225トンの物を処分しました。 

専門家からのアドバイス
・「着られるか」じゃなくて「着るか」
・高齢者は買いに行くのが大事なので物は多めにキープ
・昭和アイテムはディスプレイ用にメルカリで売れる

 

「物を捨てると製造者に申し訳ない」という菊さんに対して、お孫さんが「物を使わないで置いておく方が失礼だよ」と、とても的を射た一言を放っていました。

 

仕分けしたものを収納

次に、仕分けして必要だと判断した家具や物を、また家に戻していきます。
安全でコンパクトな導線を確保するため、家の中心の部屋に生活拠点を移動するそう。
その他にも、動きやすさに配慮した配置の工夫が随所に見られました。 

専門家からのアドバイス

・重いタンスの引き出しを抜いて、軽いカゴ5つに入れ替え
・キッチンの中心に衣装ケースを置いてアイランドキッチンのような配置にし、歩く時の支えに
・手の届かない収納には、ヘルパーさんや家族が出し入れするストック品を
・いつも座っている椅子から届く範囲に、ラベル付きの引き出しを置く
・手の届きやすい高さに、衣類を吊るせるハンガーラックを設置

玄関のすぐ横に背の低いタンスを置いて、手すり代わりにしたのですが、玄関が狭くなるし見た目もいまいち。
お孫さんもやや不満げに見えたのですが、「お年寄りの使いやすさと僕達の感覚は違うと思うので」と納得されていました。

これはお年寄りの家を改善するのに大切な視線ですよね。
ただ、私が少し気になったのが、こんなに一気に収納場所が変わってしまって、生活しづらくならないのかな?という点。
どこに物をしまってよいかわからなくなってしまうと、出し入れがおっくうになるのではないかと思いました。
特に薬。あちらこちらにあったものを台所にまとめるアイデアは、若い人ならいいですが、たくさんの薬の中から目的のものを探し出すのって、目が悪くなったお年寄りには結構大変なんですよね。
毎日飲むもののようなので、いっそ出しっぱなしの方が飲み忘れや飲み間違いを防ぐにはいいのではないか?なんて思ってしまいました。

 

その後の様子

3日後、再びお家へ行き使い勝手などを微調整。
自宅に中継も繋がっていましたが、タッパーやS字フックなど、部屋に少し物が増えていました。
やはりお年寄りががらっと行動や習慣を変えるのは難しいし、ストレスなのだろうと思います。
ただ不用品がなくなってかなり歩きやすくなったので、片付けの意味は大きかったと思います。

お年寄りの怪我は家の中で起こることが多いそう。家がすっきりして安全性が高まったことで、ご家族も安心されたことと思います。

 

感想

引越し業者や整理収納アドバイザー、ご家族など、様々な人が関わっていたのですが、ご老人ひとりの家を片付けるのに、これだけの労力と時間が必要なんだなあと改めて実感。大量の物を一つ一つ判断するのに、みんなへとへとになっていました。
もちろん実際の片付けには撮影もないし、家から出し入れしたりする工程はないのですが、それでも時間はかかるはずなので、早め早めに対処するのが望ましいですね。
うちは先日祖母が倒れて生前整理をしましたが、表面上すっきりしていても、意外と物が隠れているので、家族がこまめにケアするのって大事だと思いますね。

それから、今回の放送で、「お年寄りだから服や化粧品はいらない」とか、逆に「古いから捨てるべき」「インテリアがおかしい」といった思い込みは良くないと思いました。
見栄えや安さを理由にお気に入りの物を捨てたり、インテリア性重視の配置にしたり、新しい物を残して使い慣れた物を捨てたりするのは、周りのエゴにすぎないのだと気づかされました。
麻痺しがちな「物への向き合い方」を改めて考える良い機会でした。
帰ったはずの菊さんが、スタジオに戻って一人「長いことご苦労さん」と捨てるものにお礼を言って回る姿は、胸に来るものがありました。

物を大事にする心はとても尊いですね。