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実家の片付けで苛立ってしまう方へ。パターン別対処法や親御さんの協力を得るコツ

祖母の生前整理や実家の断捨離に関する記事を書いてから、ぽつぽつ実家の片付けに関するご相談を頂くようになりました。

やはり世代間の価値観の違いや、距離感の近さ故に、難しさがあるようです。

今回は少しボリュームがありますが、イライラしてしまう原因の分析や、対処方法、親御さんに協力してもらうコツについて書いています。

 

 

 

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なぜあなたはイラついてしまうのか

まずは、心の中の声を聴いてみましょう。

人は自分の望むことを相手がしてくれない時や、望まないことを相手がした時に、無気力感や苛立ちを覚えます。

自分の求めるものを、正直に見つめてみます。 

なぜ、あなたは片付けをしたいのか(例)

・散らかっていると親が怪我しそうだから、不安要素を取り除きたい

・親が亡くなった後に片付けをするのは自分だから、金銭的な心配を減らしたい

・親が古臭い部屋に住んでいるのが我慢ならないから、お洒落に変えたい

・いらないモノばかり溜め込む親の考えを正したい

etc...

中にはエゴと呼べるようなものもあるかもしれません。

しかし、良し悪しは置いておいて、こういった希望に対して、「親御さんが協力的でない」というのが、苛立つ原因なのではないでしょうか。

感謝されない、言うことを聞いてもらえない、こちらの正しさをわかってもらえない、めんどくさそうにされる、熱意や危機意識に差がある…。

もしもこういった親御さんのふるまいや考えが変わり、同じ方向を向いて一緒に頑張ってくれたなら、苛立ちは収まるのではないでしょうか。

 

なぜ親御さんは嫌がるのか

では次に、なぜ親御さんは頑なに掃除をしてくれないのでしょうか。

前提として理解して頂きたいのですが、歳を取って体力的に辛い、やる気が出ないというのは大きいと思います。

歳を取ると現状維持に走るようになるといいますが、変化にはとてもエネルギーを使うのです。

モチベーションのない人に何かを強要するのは、音楽に興味のない人にトランペットを吹けと言うくらい、可哀想なことなのです。

そして、実家というのは、多くの場合親御さんが購入し、親御さんがひとつひとつ物を揃え、あなたの生まれる前から思い出を積み上げてきた家です。

誰にも干渉されないはずの、大事な居場所です。

それを人生の途中から登場してきた子供や孫といった新キャラに「物を捨てよう」と言われたら、たとえようのない不安や恐怖を感じるに決まっています。

さらに、急に片付けを促されるのは、自分の終活の準備をさせられていると感じて、気持ちの良いものではないのかもしれません。

歳を取ったと自覚していればしているほど、悲しくなってしまうのだと思います。

実家の片付けは、非常にデリケートに行うべきです。

本当に片付けたくないのか、できれば片付けたいけれど気持ちの整理がつかないのか、親御さん本人の気持ちを見極めてあげることが重要です。

 

目的別対処法

これらの前提を踏まえて、あなたと親御さんが同じ方向を見て進んでいける方法を模索していきます。

はじめにいったように、あなたの目的(願望)と親御さんの行動が一致しない場合に苛立ってしまうので、まずはあなた自身の目的や願望を明らかにすることが大事です。

実家の片づけをする理由は、大きく分けて①親のため、②自分の負担を軽減するため、③自分の理想を叶えるため、④周りの人のための4つではないでしょうか。

ここでは、その目的別に、対処法をご提案していきます。

 

①親のために片付けたい場合

あなたがつい苛立ってしまう原因が、相手を思ってのことなら、それはあなたが優しい証拠です。

そもそも実家を心配するのは当然です。

人は誰しも歳を取り、体力や注意力は衰えていくので、生活の場所を片付けることは急務です。

埃だらけの家に住んでいれば、肺や呼吸器に悪影響を及ぼすかもしれません。

ですがまずは、その感情を伝えてみるのはどうでしょうか。

しばらく片付けを促すのをやめてみます。

そして、相手を変えようとする伝え方ではなく、あくまで「自分がこう思う」という伝え方にシフトチェンジするのです。

例えば「危ないから片付けるよ!」と言われるとうるさく感じても、例えば「最近友達のお父さんが階段で転んで怪我したらしい。私もお父さんのことが心配になっちゃった」などと言われると、怒りにくいですよね。

怪我してほしくない。健康に暮らしてほしい。

その思いや愛情を伝えずに片付けを先行させてしまうと、喧嘩になります。

勝手に家を変えられてしまう…という恐怖心が親御さんからなくなれば、「ここ引っかかっちゃった。場所変えてもいい?」などと切り出した時に、意外とすんなりOKがもらえたりします。

 

②自分の負担を回避するために片付けたい場合

例えば実家がゴミ屋敷で、相続人である自分がいずれ片付けないといけないから、早めに対処したい場合などがこれにあたります。

これも、あなた本人の負担になる話なので、早くなんとかしたいですよね。

親御さんが亡くなり、相続費用のかなりの部分が遺品整理費用で飛んでいったという話もざらにあります。

「私が死んでから好きにして」というタイプの親御さんとは、具体的な費用の話をしましょう。

部屋数や物の数にもよるので一概にはいえませんが、遺品整理業者のサイトなどから料金を調べて、一度見てもらうのが良いと思います。

また、業者に頼むと、思い出の物の判別ができないので、捨てられてしまう可能性が高いことも話した方がいいかもしれません。

とはいえ、もし親御さんが「身辺整理の費用は十分用意しているから、手は出さないでほしい」というのであれば、親御さんの意思を尊重しましょう。

親御さんが自分のお金で、自分の物を守っているだけのことです。

 

③自分の理想を叶えたい場合

①や②の気持ちの裏に、無自覚に自分の理想を実現したがっている、ということはないでしょうか。

重い古めかしい食器や色のド派手な日用品を捨てたいなと思ったり、収納方法が気に入らなかったり。

私も一度、つい「こういうインテリアにすればいいのに」と口を出してしまった時、母に「それはあなたの家でしてね」とサラッと言われました。

単純なことですが、はっとしました。

人によって好みは様々だし、おしゃれだ、素敵だと感じるポイントも違います。

いつのまにか自分の好みや意見を押し付けていないか、今一度考え直してみましょう。

そして、実家の片付けが自己満足のためだと気付いたなら、そっと手を引きましょう。

 

④周りの人に迷惑をかけないために片付けたい場合

小さい子供を実家に連れていきたいけれど足の踏み場もない場合や、ゴミ屋敷化していて近所に迷惑がかかっている場合などがこれにあたります。

ここまで来ると、話し合いだけでは解決できないこともあります。

「実家の片付け」の域を超えているので詳しい話は差し控えますが、急にゴミ屋敷になった場合は、痴呆やストレス、鬱など、本人に何らかの異変がある場合もあるので、その原因を解消したり、ケアしたりするのが先決です。

また、1対1の形を作らず、管理会社、片付け業者、お医者さん、場合によっては行政など、第三者を挟んで、なるべくぶつかるのを回避しましょう。

 

親御さんの協力を得るには

ここからは、親御さんを巻き込んで、一緒に楽しく片付けをできる方法をご紹介します。

 

①娯楽にする

前にも少し触れましたが、うちの実家では先日、ビデオ(ホームビデオです)を全てDVDに移しました。業者に頼まず、自力でやったそうです。

自分でやると全て再生しなければならず、非常に時間がかかるらしいのですが、久しぶりにテープを再生してみんなで観ること自体が面白かったそうです。

「劣化も気になっていたし、歳を取ってからだと面倒だったと思うからやって良かった。老後にDVDを観るという楽しみも増えた」と喜んでいました。

また、他の日には「この本棚の本、落ちてきそうだから整理しよ!」と母と一緒に本を整理したところ、母の卒論や古いお札などが出てきて盛り上がりました。

結果的に50冊ほど処分しましたが、捨てるモノがなければそれはそれで構わないと思っていました。単純に母とおしゃべりしながら片付けするのが楽しかったからです。

最初からたくさん捨てなくてもかまわないので、まずはみんなで楽しく片付ける習慣をつけましょう

我が家では、今や実家に片付けブームが到来していて、私も帰るたびにスチール本棚を解体したり、納戸を片付けたりしています。

 

②自分が片付けにハマる

自分の子供が、急に自分の家を片付け始めたら、なんでわざわざ大変な仕事を?と不信に思われるかもしれません。

先述のように、勝手に生前整理をされている気になって、落ち込むかもしれません。

そうならないために、まずは「自宅」を綺麗にしてみましょう

片付け欲は伝染するので、楽しそうにBefore/Afterの写真を見せたり、片付けテクニックを語ったりしているうちに、相手も「綺麗になって嬉しそうだな」「ずいぶんすっきりしたな、うちもやってみるか」となるかもしれません。

そこまでいかなくても、不信感が払拭されて、「片付けしたくてうずうずしてるんだな、それじゃお好きにどうぞ」となる可能性もあります。うちがそんな感じです(笑)

自分が片付けにハマると、「やってあげている」という感覚もなくなるので、不満がなくなりますし、お礼を言われると儲けものだという気持ちになります。

 

③片付けの目的を明確にする

「別に片付けなくていいや」と思っている人は、何か理由がないと、なかなか動けません。

「なぜ片付けるのか」を具体的に言わずに、単に危ないから、汚いからと片付けようとしても、相手は「何が危ないの?」「私は別に構わないのに…」と思い、拒否感を強めてしまいます。

「子供が踏むと危ないから、これまとめておくね」「これホコリだらけで火事になりそうだから、掃除するね」と片付ける理由を一つ一つ添えることで、相手にも納得してもらいやすくなります。

孫のケガや火事を回避すること自体に反対はしないでしょうし、思っても見なかった危険を知って、危機感が高まることもあります。

 

④基準を"究極のめんどくさがり"に合わせる

たくさんの収納ケースを用意したり、細かく分類してラベルを貼ったり…。

収納好きな人がやりがちですが、これらが相手のためにならないことがあります。

整理整頓は、ただでさえ自分でやらないと場所がわからなくなってしまうもの。

歳を取ればラベルの小さな文字も読めないし、自分の知らない方法で細かく仕分けられてしまうと、片付けが苦手な人は、片づけが嫌になってしまいます。

だから、"究極のめんどくさがり"になりきるのです。

究極のめんどくさがりは、おそらく3STEPの収納はめんどくさいので、出しっぱなしにしてしまいます。

いちいち「これはどこにしまうのかな?」と考えてられていられません。

ちなみに、うちの実家には妹という名の「究極のめんどくさがり」が実在しますが、妹の部屋を片付けた際、大きなタンスの引き出しに「下着はここ!」とだけ指示したところ、ちゃんとそこに収納する癖だけはつきました。 

もしブラやパンツを「仕分けて畳んで入れろ」なんて言っていたら、きっと1日でやらなくなっていたと思います。

移動や開閉のプロセスを絞り、シンプルな片付けができるよう、気を配ってあげましょう。

 

⑤普段からいざという時の話をする

結婚してから、人生の話を親とするようになりました。

保険や投資のアドバイスをもらったり、将来の計画を話したりしています。

そんな中で、自然と身辺整理の話もするようになりました。

私が「終活してる」と半分冗談で言った時、最初は「早いわ、やめてよ」と笑われましたが、事故や病気で突然死んでも困らないように、財産や保険の内容を夫にもわかるようにリストアップしていることや、身の回りのモノを減らしてることを伝えると、理解を示してくれました。

この時期から、両親も家を片付け始めました。

なかなか実行しづらいですが、今度家族全員でエンディングノート(終活ノート)を始めようか、とも話しています。

我が家の場合、実家・義実家とも、老後の介護・生活費用や葬儀費用、相続関係などについて、オープンに話しています。

親御さんの判断能力のあるうちにわからないことを聞き、話し合っておくと、トラブルも防げます。

 

終わりに

自分の物は捨てにくいのに、人の物にはつい「こんなのいる?」と考えてしまったり。

こちらの善意や真剣な気持ちが伝わらず悶々としたり。

いくら仲が良くても、うまくいかないことはありますよね。

家族といえど、「親しき中にも礼儀あり」で、敬意を払って距離感を保つのが、実家の片付けのコツだと思います。

親子関係は人それぞれなので、当てはまらない方もいらっしゃるかもしれませんが、何かのお役に立てれば幸いです。

 

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関東8県、関西6県、東海4県で活動されており、月間100件近くものハウスクリーニングや遺品整理等をこなしているにもかかわらず、満足度は97.8%と高評価です。

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