今回は我が家の防災についての記事です。
阪神淡路大震災で被災した友人のアドバイスも受けつつ、状況に応じた備蓄や避難用リュックを用意しています。
ローリングストックや普段使いのものとの兼用など、ミニマリストならではの工夫もご紹介します。
想定する災害は?
防災と一口に言っても、地震や洪水など、想定する事態や緊急性の程度によって、用意しなければならないものは変わってきます。
- 火事のように一刻も早く外へ逃げなければならないケース
- 余震の中、身の回りの物を持って避難所へ行くケース
- 停電など都市機能が停止してサバイバルを強いられるケース
- 水害で自宅のものが全て使い物にならなくなるケース
など、自分の住んでいる地域で起こり得る事態を具体的に想定して準備する必要があります。また、季節や気候によって、衣類や必要なものの種類も変わります。
我が家は水害のない地域なので、主に地震を想定しています。
夏場に一週間程度、電気が通っていない自宅で過ごす可能性と、避難所で過ごす可能性を念頭に置いて準備しています。
防災で大事なのは「水分確保」「体温調節」「食料確保」「安全確保」。
これらに必要なものを優先して用意しています。
貴重品
印鑑や年金手帳、パスポート、クレジットカードなどの貴重品と現金を、こちらの無印のパスポートケースに入れて保管しています。
火事などの緊急時にはこれだけでもさっと持って出られるようにしています。
収納力がありながらコンパクトなので気に入っています。
災害時は空き巣も多いらしいので、家に貴重品は残さないようにしたいです。
ローリングストック
キッチンの棚に、
- 水、お茶
- 缶詰(サバ、焼鳥)
- 非常用食品
- サプリメント
をストックしています。
缶詰は普段の料理にも使いますし、飲み物やサプリも普段から飲んでいるものです。
非常時には火や大量の水は使えない可能性があるので、カップ麺などは避け、水を入れるだけで食べられるご飯を用意しています。
5年保存がきく、尾西食品のアルファ米です。
炊き込みご飯、ひじきご飯など全12種類あり飽きません。何度か食べてみましたが、粘り気と歯ごたえがあり美味しいです。
また、災害時は野菜不足になると思うので、筑前煮を10食程度備蓄しています。
おかず系の非常食を出しているメーカーはいくつかありますが、アイリスオーヤマの扱っている大沢加工のものは200gと量が多めで、価格も比較的安いです。
お皿に出してみました。
だしの効いた優しい味がします。普通のお惣菜と何ら変わらず、常温で食べても美味しいです。
3年4ヶ月持ちますし、賞味期限が迫れば普通におかずとして出すこともできるので、無駄になりにくいです。
それから、防災がきっかけではないですが、我が家はBASE FOODのパンを定期購入しています。
私が留守の日は、夫が食事を抜いたり適当に済ませたりしてしまうので、月に16個ずつ届けてもらっているのです。
やや小ぶりではありますが、大豆や昆布などが含まれ、1日に必要な栄養素の1/3が摂れる※ので、私一人の時の昼食やおやつにもしています。
常温保存が可能で手も汚れず、作る意欲や食欲がない時にもさっと取り出して食べられるので、備蓄としても役立ちそうです。
※栄養素等表示基準値に基づき、脂質・飽和脂肪酸・n-6系脂肪酸・炭水化物・ナトリウム・熱量を除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む。
ポータブル充電器
RAVPOWERのACEシリーズのポータブル充電器を使っています。
普段使いしていますが、22000mAhあり、iPhone12なら7回、iPhone12miniなら9回フル充電ができるほどの強力な充電器で、充電スピードもものすごく早いです。
ただ、やや重量があり、型がかなり古いのでおすすめしません。今は機能性の高いものもたくさん出ているので、もしお持ちでない方は探してみて下さい。
ご家族が多い方は、より大容量のものを一つ用意しておくといいかもしれません。
こちらは重くてかさばるので普段使いするには微妙ですが、ソーラー蓄電ができたり、防水・防塵・耐衝撃性能が高かったりと、災害時向きです。
トイレ
トイレの紹介記事にもちらっと出てきましたが、防災トイレを2セット常備しています。
防臭機能が特に優れたBOSというメーカーのものです。
15回分×2個用意しています。
結構重たくて嵩張るので、避難用リュックには入れていません。
避難所にはトイレがあるので、これは主に自宅の水が止まった時のことを想定しています。
懐中電灯
手回し充電もできる、災害用の懐中電灯です。
フラッシュライトがついており、赤く点滅させることができます。
かなり軽いのですが非常に丈夫で、ハンマーとしての機能もついており、緊急時にはガラスを割ることができます。
自動車の窓程度なら割れますし、シートベルトカッターもついているので、車に置いていても良いかもしれません。
磁石がついているので、一つは玄関のシューズラックにくっつけています。護身用の武器にもなるので安心です。
値段も1500円程度と、そこまで高くありません。
この他にキャンドルも光源として一応用意しています。
熱中症対策
夏場は熱中症リスクが高いので、ハンディ扇風機やうちわ、扇子は持っておいた方が良いと思います。
私は普段使っている扇子で済ませようとしていますが、年々暑さが厳しくなっているため、正直少し心許ないです。お子さんやお年寄りがいるご家庭では、ハンディ扇風機は必須かもしれません。
あと、脱水症状にならないように、夏場は塩レモンタブレットなども用意しています。
防災リュック
防災リュックは、避難所に行くまでの2、3日と、避難所での長期生活を念頭に置いたものです。
リュック①の中身
A | 衛生用品など | 流せるティッシュ |
歯みがきシート15枚入 | ||
歯ブラシ | ||
災害用アルミシート | ||
個包装マスク | ||
プラスチックスプーン、箸 | ||
日焼け止め | ||
フェイスパック | ||
ビニール袋 | ||
B | 水 | |
C | 下着 | ショーツ6枚 |
パット入りキャミソール3枚 | ||
靴下3セット | ||
D | 洋服 | Tシャツ2枚 |
薄い上着 | ||
ユニクロの黒スキニージーンズ | ||
E | トイレットペーパー | |
F | 避難所用スリッパ | |
G | 懐中電灯 | |
H | からだふきタオル | |
I | 生理用品 | |
J | 非常用食料 | 乾パン、レトルトカレー |
K | 大判バスタオル | |
L | ランニングバッグ | 文具(小さなメモ帳、ペン) |
はさみ | ||
M | 雨具 |
女性用の下着はパット付きキャミソールが安心です。人目を憚らず干せますし、盗難のおそれも低いです。
また、ショーツ類をなかなか洗濯できない場合に備えて、おりものシートや生理ナプキンを多めに用意しておくと、清潔に過ごせます。
衣類も時間が経てば劣化するのでローリングストックにしており、普段使いの物が古くなればリュックの中のものを使い、入れ替えるようにしています。
雨具は、写真では折り畳み傘ですが、両手が使える方が良いと思い、今はコンパクトなレインコートを2人分入れています。
リュック②の中身
A | 衛生用品など | 流せるティッシュ |
歯みがきシート15枚入 | ||
歯ブラシ | ||
爪きり・カミソリ | ||
ドライシャンプー | ||
櫛・髪ゴム | ||
災害用アルミシート | ||
ビニール袋 | ||
B | 下着 | パンツ6枚 |
肌着3枚 | ||
靴下3枚 | ||
C | 洋服 | Tシャツ2枚 |
ユニクロのEZYジーンズ | ||
眼鏡 | ||
D | サランラップ | |
E | 水 | |
F | からだふきタオル | |
G | 非常用食料 | |
H | トイレットペーパー | |
I | 常備薬・個包装マスク | |
J | トランプ | |
K | 軍手 | |
L | 洗濯用品 | トラベル用洗剤 |
物干しワイヤー |
写真には載せていませんが、地域の防災地図も入れています。
洗濯用の洗剤とワイヤーは、友人に言われて追加したものです。避難所近くのコインランドリーは長蛇の列で、洗剤も売り切れ、洗濯はなかなかできないそう。
こちらのトラベル用洗剤は小分けの洗剤と違って使う量を調節できるので、少量の下着を手洗いする時も無駄がありません。約20回分使えます。
ワイヤーは100均にも売っていると思います。
ちなみにキャンプ用品ブランドのLOGOSなどからもみ洗い・脱水のできるシェイク洗濯袋といったものも出ていますが、私はビニール袋で代用するつもりです。
防災リュックのポイント
衣類
衣類は、作業のしやすさと寝やすさ、汚れの目立たなさ、外で寝てもパンツが見えないことを重視して選んでいます。
ユニクロの伸縮性のあるパンツは、締め付けが少ないのでおすすめです。
もちろんリラコのようなリラックスできる格好をしたいのはやまやまですが、外で過ごす以上、特に女性は隙のある格好は避けた方が無難だと思い、普通のズボンとTシャツを準備しています。
食料品
乾パンだけだと飽きるので、好物のカレーを入れています。
調理用の水が要らず、常温で食べられますが、匂いが強いのと、塩分が多く水が欲しくなるのがデメリット。
そろそろ入れ替え時なので、筑前煮など他のレトルト食品に変える予定です。
スプーンや箸などの食器も忘れずに。
乾パンは適当に選んだK&Kのものを入れていますが、値段が高い割に評判があまり良くなかったので、他のメーカーのものの方が良いかもしれません。
その他便利な物
タオルは、大判のものを入れています。タオルとして使えるのはもちろん、下に引けばマットになり、羽織ればタオルケットにもなるからです。
また、小さなトランプと、フェイスパックを1枚だけ入れています。避難所ではストレスや悲しさで気が滅入るので、精神安定のために娯楽・リフレッシュになる物を入れておくのは大切なんだそうです。
サランラップは、食器に敷くことで洗い物が不要に。防水にも使えます。
災害用シートは、断熱性が高く、夏は日よけやクーラーボックス、冬は毛布の代わりに使えます。Eco Ride Worldのものはガサガサ音が鳴らない静音タイプなので、避難所でも気を遣いません。
寝具
避難所の床は固くて寝苦しいうえ、体温を奪われるので、マット類は必須です。
我が家には夫の寝袋と来客用のエアベッドがあるので、余裕があれば持っていく予定です。エアベッドは以前こちらの記事でご紹介したものです。
どちらも片手で抱えられるほどコンパクトで、広げても一人分なので場所を取りません。
まだお持ちでない方は、「災害用エアマット」などで検索すると出てくるので、薄いものを用意しておくことをおすすめします。「エアーゴロンFプラス」という製品の評価が高くて良さそうです。
約19cm×26cm×5cmのコンパクトサイズですが、5分で膨らませることができます。
長さ190cmで端を折りたたんで枕にもでき、耐重1t、幅広サイズなので、体の大きな方やお子さんとの添い寝にも向いています。
ぱっと見は梱包材のようですが、寝心地や肌触りにこだわって作られているので、安心して体力回復できると思います。
防災対策の注意点
以上が我が家の防災対策です。
注意しているのは、
- 防災時こそ簡単に使えるものを選ぶ
- 定期的に見直しをする
- 暗い場所や万全な状態ではない状態でも持ち運べる範囲で荷物を作る
の3点です。
私はキャンプ経験がほとんどないため、専門器具は使いこなせませんし、暗闇や電気・ガスのない状態で調理をするのにも慣れていません。
なので、安易に専門的な道具や便利グッズには手を出さず、「普段から使っている」「開けてそのまま食べられる」といったシンプルな物を選ぶようにしています。
また、劣化していないか、いざという時に使えるか、こまめに見直しています。重要書類や季節ものなども、常に入れ替えるようにしています。
そしてなにより、自分が持てる範囲で荷物を作ることが大事です。
私もヘルメットやラジオなど、本当はあった方が良いだろうなと思うものはいくつかあるのですが、容量や重量の関係もあるので、帽子やradiko.jp(ラジコ)といったラジオアプリで代用するつもりです。
おわりに
「ミニマリストは災害に弱い」と言われますが、個人的にはむしろミニマリストになってから災害に強くなったと感じています。
逃げる動線が確保されていますし、大きな家具などが倒れてくる心配もありません。
大事な物も絞られており、家中に散らばっているということもなく、すぐ持ち出せます。
ただ、ストックを持ちすぎないミニマリストだからこそ、災害時の備えを十分にしておく必要があることはたしかです。
ミニマリストは自分で賄えてこそ。
使わないスペースを有効活用したり、普段使いのものと兼用したりして、いざという時に備えつつミニマルな生活をすることは可能です。
自分や家族を守るため、日頃から準備しておきましょう。