toriのシンプルライフ

2Kに暮らす夫婦のちいさなふたりぐらし

一度だけ、徹底的に物を減らしてみる。「とにかく捨てまくる日々」を経験しないとわからなかったこと

このブログ「toriのシンプルライフ」は4年前、ミニマリズムをテーマにスタートしました。

現在は便利なものや好きなものも少しだけ取り込んで、居心地の良い空間で生活していますが、当時はとにかく身軽になりたくて、毎日のように捨てる物を探していた気がします。

また、かつては友人に「ほんまにここ住んでる?」と心配されるほどがらんとした部屋に住んでいたこともあります(笑)

失敗ややり過ぎもありましたが、その「とにかく捨てまくる日々」がくれた経験について書いていこうと思います。

極端な断捨離をして後悔したことのある方、捨てすぎを恐れている方、自分に必要な物がよくわからず物を手放せない方に特に読んでいただきたい内容となっています。

 

「とにかく捨てまくる日々」

昔の私は、部屋をすっきりさせたい!という気持ちでいっぱいで、自分の持ち物をしょっちゅう見返しては「いらないかも……」と考えていました。

それだけなら良いのですが、家族に口出しをしたり思い出の品を処分したりと、今思うとやりすぎだった部分や、失敗したこともありました。

ただ、徹底的に物を減らしたこと自体は、間違いなく貴重な経験になりました。

今から「とにかく捨てまくる日々」を経験しないとわからなかったことを3つほど紹介したいと思います。

 

①必要かどうかを判断する「基準」

毎日「これは本当に必要?」と自問自答していたことで、自分に必要なものの選択や捨てる判断が早くなりました。

捨てるという行為は不思議なもので、一定の範囲からいらないものを全部なくしたと思っても、数か月後に見直してみたら、「やっぱりこれもいらないな」というものがちらほらと出てくるのです。

これは必要・不要を見極める目が養われていくからではないでしょうか。

物の用途や使用頻度などを意識する生活を送っているうちに、判断基準が洗練されていき、冷静でシビアな判断ができるようになるのだと思います。

 

②自分が不便・不快を感じていたこと

物に溢れ足の踏み場もない生活というのは、とても不便なものです。

片付いていない部屋には次のようなデメリットがあります。

  • 物を倒したり壊したりしやすい
  • 掃除しにくい
  • 服や持ち物にホコリやゴミがつく
  • 探し物が増える
  • 必要なものを取りにくい
  • 集中力がなくなる
  • ストレスが溜まる
  • 物の手入れが行き届かない
  • 自己肯定感が下がる

しかし、物が溢れた部屋は見慣れるとただの風景になり、何もおかしいとは思わなくなります。

これだけマイナスなことがあっても、それが当たり前になれば改善しようという気も起きませんし、たまに小指の角をぶつけて「片付けなきゃ」と思っても、3分後には忘れてしまいます。

しかし「捨てまくる日々」を経た私は、昔に比べてそれらの不便・不快に敏感に気づくようになりました。

「小さな頃は気にも留めなかったのに、久しぶりに実家に帰省すると家のここが妙に気になる」なんて経験のある方もいるかもしれません。

一度感覚がリセットされると、物事を客観的に見られるようになります。

また、床に物を置いたり、書類を溜めたり、そういった積み重ねの先に待っている不便や不快が想像できるようになるのです。

このリセット感覚は、少し部屋を片づけただけでは味わえず、極端に物を減らして入居時のような新鮮さを感じたからこそ得られたものだと個人的には思っています。

 

③自分の好みや似合うもの

一人暮らしをしていた頃は、ほとんどインテリアに興味がありませんでした。

統一感のない家具を置き、自分の好みもわからないまま過ごしていました。

しかし「とにかく捨てまくる日々」の自問自答で、だんだんと自分の好みが明確になっていきました。

「この鏡も靴箱もイマイチだな。パイル素材は好きじゃないかも…。」

「白い家具は好きだけどシャビーシックよりはモダン寄りの方が好みだな」

「この家具と家具は似た色なのになんで合わないんだ?あっ、金具の色が違うのか」

と知識もついていき、少しずつですが見る目も養われていきました。

私は「捨て活を始めてすぐ収納や家具は買わない方がいい」と思っているのですが、その理由がまさにこれ。

知識がない、自分の好みがわからないちゅうぶらりんな状態で適当に買い物してしまうと失敗しやすいのです。

二人暮らしを始めるカップルや引越しを考えている方は、先にまず実験的に小さな暮らしにチャレンジしてみることをおすすめします。
 

また、インテリアだけでなく、服や持ち物もそう。

似合わない服を除外していくと、当然自分に似合う服だけが残ります。

私は自分のクローゼットと向き合ううち、自分にシンプルな服やTシャツがなぜか似合わず、着ていてもテンションが下がることに気づきました。

体型・顔のタイプ診断をしてみると、ナチュラル体型のソフトエレガントと発覚。着る服をがらりと変え、思い切ってゴージャスな柄物や襟付きの服を選ぶようにしてからは、似合っていると褒められることが増えました。

なぜ自分がそれを好きなのか、どこが嫌いなのかを突き詰め、考えたり調べたりすることで、思いがけない自分の好みや似合うものを知ることができたのです。

 

おわりに

以上が、私が「とにかく捨てまくる日々」を経験しないとわからなかったこと3つです。

単純に物を減らして良かったと感じることはたくさんあり、それはブログで度々ご紹介していますが、今回は特に「徹底的に物を減らした経験がくれたもの」について書いてみました。

人によって必要な物は、生活習慣や家族構成、趣味や仕事、健康状態などありとあらゆる原因によって左右されます。

同じ人でも、時期や年齢、好みや人生ステージの変化によって変わっていきます。

しかし、一度きちんと物と向き合う経験をした人は、どこにいても自分にとって適切で快適な環境を作りやすいのではないかと私は思います。

まずは目の前にある物から、どうしてそれが好きなのか、必要だと思うのか考え、不要な物を手放す癖をつけてみてください。

部屋が整うだけでなく、自分のスタイルがはっきりしていく感覚をつかむことができるはずです。