数珠の糸が切れてしまったので修理をオンラインショップに依頼しました。
ネットで簡単にできたので、方法や費用などをご紹介していきたいと思います。
ご自分の宗派の数珠がどんなものかわからない、どう修理して良いかわからないという方は、前半に数珠の基礎知識をまとめていますので、ぜひそちらもご覧ください。
数珠の基礎知識
数珠を修理する際には、「本式か略式か」「房の形はどうするか」などを選ぶ場合があります。お手元の数珠が壊れてしまった場合、元の形がわからなかったりするかもしれません。
ご自身の宗派の数珠の形に自信がない方のために、数珠の基礎知識を解説します。
不要な方は飛ばしてくださいね。
本式と略式
本式数珠は、宗派の細かい決まりに則った正式な数珠です。
簡単な見分け方としては、二重にして使うものが本式数珠です。主玉が108個あるため、一周が長くなるからです。※
本式数珠の場合、別の宗派の法要に持ち込むことは避けるべきとされています。
※浄土真宗については、男性には本式数珠はなく、略式数珠を使います。
略式数珠(片手数珠)は、どこの宗派でも使えます。略式数珠の場合は、別の宗派の法要に持ち込んで使ってもかまいません。房も好みで選んで良いそうです。
特にこだわりがない場合は汎用性の高いこちらがおすすめです。
我が家は宗教に関しては夫の家も私の家も厳しくないため、二人とも略式数珠を使っています。
正絹と人絹
正絹(しょうけん)は蚕から取った本物の絹糸のこと。
人絹(じんけん)は正確には絹ではなく、レーヨンで作られた絹糸風の人工素材です。
一般的に正絹の方がつやがあり美しいですが、人絹よりはやや高価になります。
男性用と女性用
玉の大きさが10〜12ミリのものが男性用、6~8ミリのものが女性用と言われています。
色や素材も男女で差があることが多いです。
しかし今の時代はそこまで気にしなくても好きなもの、手に馴染むものを選んで良いとされています。
実際今回私が修理したものも男性用でした。
宗派による本式数珠の違い
真言宗(振分け数珠)
7個目と21個目に四天という小さい玉がついているのが特徴です。
房は丸いぽんぽんのような「梵天房」が4つ付いています。梵天房には写真のように先がふさふさの「菊房」や、しっかり編み込まれて糸の抜けにくい「かがり梵天房」などの種類があります。
浄土真宗(門徒数珠)
男性用
他の宗派と異なり、略式数珠を使います。
2つの天玉と親玉で構成された比較的シンプルな数珠です。
房は「紐房」。4本、6本、8本のものがあります。特に意味合いは変わりませんが、本数が多い方が華やかに見えます。
女性用
4つの「頭付き房」と四天玉がついており、房のうち半分は蓮如結び、もう半分はつゆ結びという結び方がされています。
「頭付き房」はたくさんの紐が垂れている点で「切房」に似ていますが、こちらはその名の通り、房のてっぺんに丸い留め具がついているものです。頭付き房には、房の一本一本が細い「松風房」や頭の部分が編み込まれた「かがり房」などもあります。
日蓮宗(法華数珠)
親玉が2つあり、片方に「梵天房」が2つ、もう片方に3つ付いています。3つの房がついた方を外側に垂らして使います。
日蓮宗は念仏を重んじる宗派なので、本式数珠を持つことが望ましいとされています。
日蓮宗正宗のみ房の色が白と決まっているそうです。
浄土宗
2連の数珠が鎖のように組み合わさり、その片方に金属製の2連の輪が付いています。
房は「梵天房」が2つ付いています。
曹洞宗・臨済宗・禅宗
玉が小さく連なっている数珠で、曹洞宗のみ金属の輪っか状の部品が付きます。
房は「紐房」であったり「切り房」「頭付き房」だったり様々です。
念仏ではなく座禅に重きを置く宗派なので、細かい決まりはないそうです。
天台宗
修験道を元にしているため、修行で数えやすいよう玉が平たい形をしています。
房は「梵天房」が2つ付いています。
うち一つには20の平玉、もう一つには10の丸玉が付いています。
修理について
私が今回修理したのは浄土真宗の略式数珠です。
正絹の「紐房」が4本付いているタイプですが、糸が切れてしまいました。
珠が天然素材のものだったので、買いなおすより安いと思い、修理することにしました。
修理先を選んだ理由
私が修理をお願いしたのは「極楽堂」さんというオンラインショップです。
私がこちらを選んだ理由はこちらです。
①仏具の専門店である
ビーズアクセサリーを扱うオンラインショップも修理を請け負っているケースもあるのですが、やはり専門知識を持っているところの方が安心だと思います。
宗派ごとの細かい数珠の仕様についても気軽に質問できます。
極楽堂さんは店舗を持っている仏具屋さんで、信頼がおけると思いお願いしました。
②クチコミ評価が良かった
また、クチコミの内容も良かったのも理由です。
「発送の連絡も全てにおいて迅速で丁寧」「房の色や形を変えることも可能」など、仕事の丁寧さと融通が利く様子が伺えました。
③費用が明確でお手頃
他店ではどんな房の形でも一律に料金を設定し、房の形や素材次第で後から追加料金を取られるというケースが多かったのですが、極楽堂さんは数珠の種類ごとに費用が決まっているのがわかりやすかったです。楽天市場のレジで支払いをしたらそれ以上の追加はないので、安心感がありました。
実は最初に近所の仏具屋さんに問い合わせると7000円〜と言われてしまったのですが、こちらだと費用が2,083円で済みました(紐房の略式数珠の場合)。
おそらく本式数珠や複雑な数珠はもっと高くなると思いますが、それでも一般的な仏具屋さんにお願いするよりリーズナブルだと思います。
実際の仕上がり
さて、先程の数珠がどうなったかというと…
こうなりました!
完璧な仕上がりで満足です。
新品みたいに綺麗な箱に入っていました。
元のものとほぼ同じ色で直してもらえました。一応希望すれば他の色にも変えてもらえるそうです。
古い房も返却してくれます。
ビフォー写真も添付されていました。修理前に部品の数や状態を保存して、間違いないように仕上げてくれるみたいですね。
修理の流れ
①注文
以下のページから極楽堂さんのページへ飛び、修理をしたい数珠を選びます。
送料は520円ですが、3980円以上で無料になります。
私は前々から欲しいと思っていた数珠入れを2人分購入したので無料になりました。
②送り先がメールで送られてくる
極楽堂さんの住所がその日のうちに送られてきました。
送り方はなんでも良いですが、追跡が可能な宅急便かレターパックが推奨されています。
私はレターパックライト(370円)を使いました。
③荷物到着メールが送られてくる
荷物が到着したことを知らせるメールが届きます。休業日を挟んだからか、ここは6日ほどかかりました。
④修理完了!
その2日後、早くも修理完了のお知らせがメールで届きました。お問い合わせ番号などが記載されています。
次の日には宅配便で無事数珠が届きました。梱包も丁寧でした。
関連商品も購入できる
極楽堂さんでは、仏具の販売も行っておられます。
ふくさやお線香、ご朱印帳や仏花、各宗派の法具やお仏壇用の細々した仏具、梵字をあしらったストラップなど、ラインナップも豊富です。
私は数珠入れを持っていなかったので、この機会に購入しました。
数珠入れは600円台から1万円近いものまでありましたが、安いものはマジックテープであることが多いです。確認せず買ってしまったのですが、少し音が気になるかも…(笑)
でも見た目は写真通り上品でおしゃれでした!
自分用に購入したファスナー式の藤色の数珠入れも、小さすぎるかな?と心配していましたが、今回修理した大きめの片手数珠が入るほどの収納力がありました。
あとがき
最近では壊れたものはすぐ修理することを心がけています。
物を減らしたことで、一つ一つの持ち物を大事にできているなという実感があります。
また、数珠についてはお恥ずかしながらあまり知識がなかったのですが、宗派ごとの形式の違いなど、調べてみるとなかなか奥が深くて面白かったです。
もしかしたら宗派ごとの細かいルールなどがまだまだあるかもしれないので、ご不安な方はお寺に聞いてみるか、修理先の仏具屋さんに聞いてみるのも良いかもしれないですね。