私は去年からブラジャーの着用をやめて、夏はカップ付きキャミソール、冬はカップ付きヒートテックで生活しています。
その理由や快適さについてお話しするとともに、「本当になくても大丈夫か?胸が垂れたりしないのか?」といった疑問に対しても、調べた結果をお伝えしていきます。
ブラジャーをやめたきっかけ
きっかけは、こちらにあった乳腺科のお医者さんのインタビューでした。
育乳がテーマで、まとめると、次のようなことが書かれています。
・育乳ブラジャーや育乳マッサージにサイズアップ効果はない
・大胸筋を鍛えることは有効
・クーパー靭帯はそう簡単に切れない
・ブラジャーはつけている時限定で形を整え、姿勢をキープするもの
気になったのはこのうちの4つ目。
この記事を読んだ後で、国内外の記事や論文なども調べて自分なりに納得したので、ブラなし生活に切り替えることにしました。
厳密にはノーブラではなくカップ付きインナーで生活しています。
睡眠時はノーブラで寝ることも多いです。
ブラジャーのデメリット
一般的に、ブラジャーには次のようなデメリットがあると言われています。
・肩凝りや痛み
・血管やリンパ腺の抑圧
・ワイヤーの擦れによる肌へのダメージ
・自律神経への悪影響※1
・寝不足※2
・着脱の面倒臭さ
・上下セットの維持が大変
・高価
・寿命が短く頻繁な買い替えが必要
特に、体に合わないブラジャーの締め付けによるリスクが深刻とされています。
私自身、一番のストレスが肩こりでした。
補正効果の高いブラデリスニューヨークのブラを愛用していたのですが、ここの下着は細かく体型に合わせて選ぶので、体型の変化や生地の劣化が起こるとすぐに違和感を感じてしまっていました。
また、寝心地が悪いのと肩紐が伸びるのを理由に、寝る前にナイトブラに付け替えていましたが、これが面倒でした…!
ちなみに、デメリットの一つとして「ブラジャーをつけると乳がんになる」という話が挙がることもありますが、それには根拠がないようです。※3
なら、ブラジャーはなくても良い?
これについてはまだ「なくても良い」と言い切る根拠は乏しいです。
胸を支えるクーパー靭帯がすぐ切れるというのはデマですが、重みで伸びる可能性は完全には否定されていません。
下垂の原因はほとんどが加齢によるものとされていますが、下着メーカーワコールの人間科学研究所では、「サイズの合ったブラジャーをしないと胸の加齢が進む」との実験結果もあるそうです。※4
また、ブラジャーのメリットもたしかにあり、
- スポーツ時の痛みや揺れの軽減
- 睡眠時に動くことによる寝苦しさの軽減
- ファッション性を高める
などの効果は認められています。
実際ブラジャーをつけた方がトップの位置が高くなり、脂肪を集めて盛れるので、服を綺麗に着こなせます(人体の構造上、脂肪が移動した位置にとどまることはないそうですが)。
日本のキュレーションサイトなどでは、「ブラジャーは不要!」と言い切る記事をちらほら見かけますが、その信憑性は薄いです。
そのほとんどのサイトが、根拠として「フランシュ=コンテ大学が15年かけて18歳〜35歳の女性330人のバストサイズを計測し続けた結果、むしろバストアップが見られた」という研究を引用しているのですが、これについては、
- 正式な論文の形で存在していない
- 被験者が研究内容を認識していた、ノーブラ推奨者であった、姿勢や年齢等による差異が考慮されていないなど、研究の公正さに問題があること
- 本人も後のロイターでのインタビューで、中年女性や肥満女性についてのデータの不充分さについて述べていること
- 15年とあるが、長期実験ではなく、実際のブラなし期間は2年という短い期間であること
などから批判があります。※5
よって、ブラジャーは不要だと言い切るには早いというのが正直なところです。
ただ、ブラをすることのリスクに比べて、しないことのリスクはあまり明確に挙げられていません。
現時点で分かっているリスクについても、スポーツ時や睡眠時など、限定的に着用にすれば事足りるものばかり。
なので、私個人としては、両者を比較した上で、ブラジャーのデメリット、特に健康上のリスクを防ぐことを優先しました。
ミニマリストが持っている下着
というわけで、私は去年の夏からカップ付きインナー生活です。
ミニマリストである私の持っているブラ・ショーツの数は以下の通り。
- カップ付きキャミソール3枚(夏用)
- カップ付きヒートテック3枚(冬用)
- ショーツ6枚
- ブラとショーツのセット1組
- ヌードブラ
- スポーツブラ2枚
1組だけ残しているセットは、服を綺麗に見せたい時や、気分を上げたい時に着ます。
ヌーブラは結婚式やレストランで肩の出るドレスを着る時などに使います。
冬のカップ付きインナーはUNIQLOのヒートテックですが、夏はツーハッチというブランドの、「楽盛りキャミソール ブライラズ(深Vネックタイプ)」を着ています。
以前はUNIQLOのキャミソールを着ていましたが、それだと胸が押され、潰れてしまっていました。こちらは谷間やデコルテを綺麗に見せてくれますし、着心地もさらりとしていて着やすいです。ただ、UNIQLOより少し肩紐はきつめかもしれません(調節は可能)。
ちなみに同じお店のタンクトップやレースキャミソールも試しましたが、タンクトップはカップ部分が硬くて少し違和感があり、レースキャミの方はタグが肌に擦れて痒くなってしまいました。なので、個人的にこれがベストです。
ショーツは気分や用途(サニタリーなど)で選びます。
ブラジャーとセット買いすると、必ずどちらかが先に傷んでしまって片方だけ残ってしまいますが、ブラジャーをやめるとそんな悩みからは解放されます。
カップ付インナーのデザインがシンプルなので、どんなショーツを選んでも合うのが嬉しいです。
カップ付きインナーは快適
カップ付きインナー生活を送ってみると、とにかく快適。
- 着脱に時間がかからない
- 肩こりや肩甲骨周りの痛みがマシになった
- 肩紐が落ちたり擦れたりすることがなくなった
- ワイヤーが食い込む感覚がない
- 襟ぐりの深い服を着ても見えない
- ナイトブラに着替えなくて良い
- 意外とホールド力がある
と、今までの苦労が嘘のようです。
一方で不便だと思ったことは、
- ブラジャーほど細かいサイズ展開がない
- 寝ていると多少インナーが伸びてくる
- ブラジャーほどは盛れない
- 楽ちんなので気が緩む
といった点でしょうか。
例えば私はD~EカップなのでLサイズを買うのですが、ヒートテックなどは普通体型の私でも結構ゆとりがあるので、もっと細くて胸のある人だと、体型にあったインナーを探すのが難しいかもしれません。
ずっと着ていると生地も伸びるので、ワンシーズンで買い換えるようにしています。
終わりに
昔はノーブラにはずぼらなイメージやおばさん臭いイメージがありましたが、今はノンワイヤーブラなども一般的になりましたし、若い人も無理しない時代になってきていると思います。
ブラをつけると綺麗に見えますし、気持ちが引き締まりますが、もし私と同じような悩みがあるなら、試してみても良いかもしれません。
私は専門家ではないので、こういった健康に関わる記事を書くのにためらいもありましたが、なにか参考になればと思います。
※2 皮膚抑圧による唾液メラトニンの著しい抑圧や直腸温度上昇による。│ The effects of skin pressure by clothing on circadian rhythms of core temperature and salivary melatonin
※3 2014年に米フレッドハッチンソンがん研究センターのチームがこれを否定する研究を発表しています(ブラ無しでの睡眠が閉経前女性の乳がんの保護因子だとする研究はある)│ Risk factors of breast cancer in women in Guangdong and the countermeasures
※4 「ブラジャー着用で健康被害」の仏調査 医学的根拠には乏しい?: J-CAST ニュース
※5 Don’t Burn Your Bra for Science Just Yet | Skeptical Inquirer